看護師さんが給与に不満がある理由

1 はじめに

 「職業は看護師です」と話した途端に、「看護師さんてお給料いいんでしょ?!」「高給取りで羨ましい~」…
なんていうセリフ、一度や二度言われたことある方は実は多いのではないでしょうか。
確かに同年代の他職種と時給や初任給を比べてみると、そこはやはり資格職だから、という納得できる賃金差はありますが、
果たして他の看護師さんたちが実際にはどのくらい稼いでいるか…なんて露骨な話はなかなかできません。
そこで、ここでは看護師をとりまく給料事情について少しお話しようと思います。

2  基本給が低め

 厚生労働省の平成26年賃金構造基本統計調査の統計データによると、平成26年度の看護師の平均年収は472.9万円で、平均月収は38.9万円、平均賞与は78.1万円という調査結果が報告されています。
数字だけみると確かに「高給取り」と称されるのもうなずけますが、実は看護師の給料は給与総額に占める各種手当が非常に高く、基本給が低く抑えられている傾向にあります。
これは基本給が国家公務員の給与基準に影響を受けて設定されていることが多いからです。
例えば看護系3年制短大を卒業した国家公務員の場合ですと、初任給基準表により「2級5号俸」と定められ平成26年度は「191,300円」となっています。

そしてここに「夜勤手当」や「時間外手当」など各種手当が上乗せされて給与総額となるのです。
あくまでこの基本給は国家公務員の初任給ですが、他の民間病院等もこの基本給の額を参考にしているという場合が非常に多いです。
病院の収入はほとんどが診療報酬による収入ですが、この診療報酬は主に患者に対する看護職員配置の手厚さに応じて支払われる仕組みとなっています。
診療報酬収入が職員の基本給に即反映とならない一因として、利益による大幅で劇的な収入増は見込めないことや、人件費はできるだけ抑えるべき支出と考えている経営者が多いため、というのも考えられます。

3  給与上昇が難しい

 給与の上昇に大きく影響することは、一般的には役職や管理職につくなど昇格のときだと考えられます。
副主任、主任、チーフ、師長、副師長、看護課長…など、役職の名称はさまざまですが、看護師の組織の特徴として役職のない一般職のスタッフ数が非常に多いことが言えます。
1つの部署あたりのスタッフ数が多いことは、部署のスタッフ数に対する役職や管理職のポストも相対的に少なくなり、つまりは昇給の機会も少なく給与の上昇が難しいことだとも考えられます。
また前述のとおり国家公務員給与の影響もあり、給与表で「1級」は准看護師、「2級」は保健師・助産師・看護師、「3級」は師長と規定されているため、師長になり3級に昇格しない限り2級の給与水準のまま留まらざるを得ないという実状があります。
多くの病院でこの国家公務員準拠の給与体系を用いているため昇給も難しいということがご理解いただけたでしょうか。

4  成果が評価されにくい

 私たちはモノやサービスに対し対価として料金を支払うという社会で暮らしていますが、診療報酬制度だと看護技術や看護サービスに対して患者さんから支払われることはできません。
このことが意味することは、看護業務の成果やサービスの質について受けた側から直接的に評価をされにくいということだと言えます。
診療報酬の点数は看護職員の配置の手厚さ、つまり、入院患者1名につき看護スタッフが何人いるか、という点で決まってきます。
そしてそれは即病院の収益につながることでもあります。病院経営という側面から考えると人件費は抑えることが出来る支出です。
給与の高い経験豊富な看護職員を配置するか、給与の低い新人看護師を配置するか、人件費を抑えられるのは一目瞭然です。

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